DEBRIEFING

総評

主審 岸 正美

全体を通して、それぞれの種目の着眼点を理解して練習されてきた選手が多かったように思います。今回は降雪により柔らかい雪質をどう攻略するかがポイントだったように思いますが、雪質、斜度、スピードに合わせてしっかり滑走してくる選手が多く、日頃の充実した練習が伺えました。
 
【ミドルターンカービング】
重要なポイントとしてターンの質、スピード、サイズコントロールともに高い技術が求められる種目です。前日からの降雪により柔らかい雪質でしたが、雪質や斜面変化に応じた角付け・荷重・ローテーションを行い、一定のふり幅を守り、リズミカルでキレとスピードのある深いターンで滑走してきた選手が多かったです。ここ数年、地区大会からの種目でもあるので、熟練の高い技術の選手が増えていると感じました。
 
【ビッテリー】
ビッテリーは、ターンスピードに合わせた強い内傾軸を取りながら途切れのない連続ターンにするのがポイントです。ミドル同様、前日からの降雪により柔らかい雪質だったので、内傾軸の強まるタイミングが後半になってしまい、連続性に欠けてしまう選手が多かったようです。そのような中でも積極的に強い内傾軸を作り、連続性のあるターンをしてきた選手が高く評価されました。今回で2回目の種目ですが、今後大会ごとに洗練されていくのが楽しみです。
 
【フリーライディング】
全体的にスピードに乗った流れの良い演技構成の選手が多かったです。中でも、スピードの中でトリックを行いながら途切れることのない演技をする選手が多かったです。日頃の練習の成果を発揮できた選手が多かったのではないでしょうか。さらに技術向上され、次につなげてください。


主審 青木 玲

【ショートターンカービング(ウェーブ)】
ショートターン種目なので、ショートリズムを一定でコントロールしていることが最優先になります。そこに対してスピードの調整がポイントです。減速はもちろん、ウェーブやエッジングを利用した加速も含みます。なるべく高速域でショートリズムをコントロールし、ウェーブに一切惑わされない滑りであることを高評価とさせていただきました。
 
【ロングターンカービング】
エッジに乗り、斜面をカービングするテクニックはかなりハイレベルで、雪質や雪面状況に対しても全日本選手はコントロールしてきます。これに対して、「切り替え」の調整やタイミングが選手によって大きく異なりました。ターンサイズにより切り替え期も変化します。ロングターンに合わせた切り替え期を、急斜面に対して合わせられた選手には、かなりの高得点が出ていました。一方、ターンの質は高くても「切り替え期」をミドルのように素早く行っている選手は得点が伸び悩んだかもしれません。ターン後半の推進力とターン前半に利用する落下力、このバランスを考えたハイレベルな滑りを見させていただきました。